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ピアニスト渡邊拓也の、ふと思ったこと。

音楽を深める能力と、仕事としての音楽

こんばんは。

 

クラシック音楽は、芸術作品でありながら、「仕事」としての側面も無視できません。往年の作曲家や演奏家も、誰かから依頼を受けて作曲をしたり、自分で決めたわけではない、レーベルや他者からの指定で組んだメンバーでの録音、演奏を行ったりします。

 

もちろんそうではなくて、書きたくて書いた、残したくて残したタイプの作品や、組みたくて組んだメンバーでの演奏の場も世の中にたくさんあります。自分(たち)の色が存分に出せる場ですので、相当伸び伸び活動しやすい場です。音楽家ならば、任意の方向に進んでいける音楽の時間は、相当貴重な時間であると思います。

 

仕事として受けている音楽活動は、自分の色が必ずしも存分に生きる場ではないかもしれません。依頼を受けて、それに見合ったギャランティも受け取る前提での事なのだから、それは当然のことでもあると思います。

 

では、仕事として受けているものは、自主企画の演奏会よりも気合や完成度など、劣るものか?

 

そんな訳はありません。楽曲や先人の遺産に臨み、その研究の結果を人前で披露し、それについて一定の感想を持っていただき、音楽文化を広め発展させていく……このことは、どんな場でも一切変わりません。聴いて頂く相手や、演奏の場の特色などにもよりますが、音楽家として軸となる部分だけについて言えば、ぶれることは無いのです。

 

仕事としてお受けしている案件からは、自分の音楽観に無かったことが身についたり、新たな発見があったり……真摯に取り組むことで自分の音楽的素養にも良き影響が及びます。どんな音楽の場でも、感謝は尽きません。

 

自分の深めていく方向性とお仕事として受けている音楽、これからもどちらも大事にしていこうという、気づけば今後における決意表明の記事になりました(笑)

 

アンサンブルピアニストとしての活動、さらに力を入れていきたいです。ヴァイオリンとフルート、声楽の伴奏をお受けする機会が多いので、これらを特に深めていこうと考えております。

 

今後とも、宜しくお願い致します!

 

渡邊拓也